東方星蓮船の円形弾幕
もうだいぶ前の話になるけれど、9月に東方Project第12弾「東方星蓮船」が委託販売開始された。
何かというと、要するに個人製作の弾幕シューティングゲーム*1。いわゆる2Dシューティングゲーム(STG)は、FPSなど一部を除けば1990年代に衰退してしまった。しかし今でも商業を含めて根強い人気がある。製作に必要なリソースが比較的少ないこともあって、個人でも作れるということらしい。
東方というと、魅力的なキャラクターや設定の数々、特徴的なBGM、ゲーム性などが高く評価されており、同人界隈では一大勢力になっている。ニコニコ動画とかを利用していると目につく程度にはネット上でも有名。
東方では、ボスの特徴的な弾幕ごとに名前を付け、スペルカードと呼ぶ。なかなか画期的な発想で、「○○(スペルカード名)は避けるの難しいよね〜」というぐあいに、名前によって文脈を共有し、弾幕について話しやすくなった*2。
上の弾幕のスペルカード名は飛鉢「フライングファンタスティカ」
東方の何に魅力を感じるかは人それぞれ*3だと思うが、ここで特筆したいのがゲーム画像の美しさ。東方作品は、代を重ねるごとにどんどんデザインやエフェクトが精緻になってきている。見ていてもプレイしていても面白い。
とりわけ弾幕を制御するアルゴリズムは芸術だと思う。見た感じでは、拡大した後に縮小する円が自機方向に発射され、その円上を札弾が回っているという構造のようだ*4。
自機を狙う・円が拡大縮小する・円上を弾が回る。それぞれの制御ルールはごく単純であっても、組み合わせられることで豊かな世界ができあがっている。
なんとなく、ガリレオやケプラー以前の天文学では、惑星の複雑な運動を表現するために離心円や周転円の重ね合わせを使ったというエピソードを彷彿とさせる。そういえば星空(天文図)にも、人を惹きつけてやまない美しさがある。
美しいものには、ある種の共通項があるんだろうか?*5